むし歯の治療は痛いからと、ギリギリまで歯医者に行くのを我慢した経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
治療中の痛みを軽減するために麻酔をかけますが、そもそもこの麻酔注射自体が「痛いから嫌い」という方も少なくありません。
当院では麻酔注射の痛みが少なくなるよう、注射を打つ際に工夫をしています。
初めに、歯ぐきに塗るタイプの表面麻酔を使用します。あらかじめ歯ぐきに麻酔をかけることで、注射を打ったときの痛みを軽くできるからです。
また、注射針は細ければ細いほど刺すときの痛みが少ないため、日本で入手できるものの中で一番細いもの(35G)を採用しています。
電動注射器
注射を打つ際は、歯ぐきや粘膜の状態をチェックしながら、「チクッ」とする痛みが極力出ない打ち方をします。
麻酔液の注入には電動の注射器を使います。電動式注射器で注入速度を一定に保つと痛みを感じにくくなるからです。少量ずつゆっくりと注入することで、お身体への刺激を減らし、できる限り痛みを抑えます。
加えて、注射の後はしっかりと時間をおいて、十分に麻酔が効いてから治療を開始するようにしています。
人間の歯は、一度削ってしまったら二度と元には戻りません。むし歯の治療を繰り返していくうちに、健康な歯の組織はどんどんなくなってしまいます。さらに歯は削れば削るほどもろくなり、むし歯が再発しやすくなります。
言い換えれば、歯を長持ちさせるにはなるべく削らないほうが良いのです。どれだけ歯科の治療技術が進歩しても、生まれ持った自分自身の歯に勝るものはありません。
私どもが目指すむし歯治療は、「とりあえずの治療」ではなく、できるだけ削らずに歯の健康を保つことを重視した「歯を守る治療」です。
そのため、健康な歯の組織をなるべく削らない「MI治療(ミニマルインターベンション)」を実践しています。この治療は、削るべき場所をしっかりと把握し、必要な部分だけを削る方法であり、少しでも患者さまの歯を長持ちさせるのが目的です。
歯を削る際には必ず「拡大鏡」を使用します。これらは患部を拡大して見られる機器で、より精密な処置ができるため、必要以上に歯を削り過ぎる心配がありません。さらに、むし歯の部分に色をつけて染め出す「う蝕検知液」を用いて、健康な組織との境目を丁寧に確認しながら削るようにしています。
2024年には、口腔内スキャナー「iTeroエレメントLumina」を導入し、さらにマイクロスコープも導入されました。
マイクロスコープを使うと肉眼の5~20倍まで拡大視でき、より精密な治療が可能になります。
このように、当院ではなるべく削らない治療を行っていますので、大切な歯をより長持ちさせることが可能です。むし歯でお悩みの方は、ぜひお気軽にご来院ください。
むし歯が重症化して、神経(歯髄)にまで細菌や汚染物が達してしまった場合は、「根管治療」と呼ばれる歯の神経の治療が必要です。
「根管」は、歯の神経が通っている管です。根管治療は雑に行うと、なかなか痛みが治まらなかったり、一度治療を終えても再発を繰り返したりするケースがあります。場合によっては、歯を抜かなければいけなくなることも。
痛みや再発の主な原因として、細菌・汚染物の取り残しや、治療中の細菌感染などが考えられます。
むし歯の再発を防ぐには、根管に入り込んだ細菌や汚染物を、どれだけきれいに取り除けるかが重要です。根管内部は管状になっており、縫い針くらいの細さしかありません。細菌や汚染物をきれいに除去するためには、手間を惜しまない慎重な処置が求められます。
私どもは丁寧な根管治療に注力し、少しでも歯を長持ちさせられるよう努めています。治療の際は「拡大鏡」という歯科用のルーペを使用。拡大鏡はその名の通り、患部を拡大視できる道具です。これを使うと、より精密な治療を実現できます。また、「マイクロスコープ」という歯科用の顕微鏡も導入し、さらに緻密な処置が可能になりました。
また、治療中の細菌感染を防ぐために治療器具はできる限り使い捨てにし、常に清潔な診療環境を保つ配慮を欠かしません。
根管治療では、いかに無菌状態で施術を行えるかが重要です。無菌状態を維持できれば、むし歯の再発や痛みなど、後から発生するトラブルの予防につながります。
当院は、唾液が侵入しやすい奥歯の治療で「ラバーダム防湿」を行っています。ラバーダム防湿は、処置を行う歯以外の部分をゴムのシートで覆い、カバーする方法です。
この処置で、唾液などの体液による細菌感染リスクを防ぐと同時に、歯や金属の削りカスがお口の中に入ることも防げます。
根管の形状には個人差があり、曲がっている場合も少なくありません。曲がっている根管は、まっすぐなものに比べ病巣を取り除くのが非常に困難です。
根管内部の細菌や汚染物を取り除くには、「ファイル」と呼ばれる道具を使用します。一般的によく使われるステンレス製のファイルは、安価ですが柔軟性に欠けるのが難点です。ファイルが曲がりにくいと根管内部でうまく機能せず、細菌や汚染物を取り残してしまう恐れがあります。
そこで私どもは、「ニッケルチタン」という金属でできたよく曲がるファイルを導入。ステンレス製に比べ高価ではありますが、柔軟性に優れているため、複雑な形の根管でもしっかり治療できるのがメリットです。
当院なら、なかなか痛みがなくならない重篤なむし歯の方でも、症状が改善しやすく再発が少ない根管治療が受けられます。ただし本来は、根管治療が必要になる前に「むし歯を重症化させないこと」が大切です。むし歯かな?と思ったら、できるだけ早めにご来院ください。
歯髄温存療法とは、重度のむし歯により従来であれば抜髄する(神経を抜く)必要がある歯に対して、感染した一部の歯髄を除去し、生体親和性の高い薬剤を使用して健全な歯髄を保存する治療のことです。
従来法であれば、部分的に神経が生きている場合でも全ての歯髄を除去することが一般的です。しかし、抜髄された歯は歯根破折するリスクが著しく上がり、歯根破折に至った場合は抜歯せざるを得ないことが多くなります。
そのため、歯髄の一部分でも残すことが歯の寿命の延伸に繋がると考えられています。
しかし、感染している歯髄と健全な歯髄の境目は肉眼で確認することは困難です。そのため、当院では「マイクロスコープ」という顕微鏡を使用し治療を行っているため、より緻密で正確な治療を行うことができます。
また、治療の際は必ずラバーダム防湿を行い、根管内に唾液中の細菌が侵入しないようにして行っています。
※自費診療です
感染している一部の歯髄を除去し、生活歯髄を温存する治療です。
処置してから約1ヶ月間の経過観察を行った後に、セラミックインレー、セラミッククラウン、ジルコニアクラウンのいずれかによって治療を完了します。*修復物、補綴物代は別途(5年保証込み)
歯髄温存療法 | 1歯 33,000円 |
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治療の期間・回数:4~8週間、1回
リスクや副作用:処置後痛みが生じる可能性があります。歯髄が徐々に失活する可能性があります。
当院では、保険診療として行う通常の根管治療とは別に保険適応外の材料を用いて行う精密根管治療を行っております。より精度の高い根管治療を行う際に重要なことは、根管内の感染源を確実に除去することやCT撮影を行い根管の形態を把握すること、生体親和性の高い材料を使用すること、細菌が根管内に入らないようにすること、新品の器具を使用すること、マイクロスコープを使用し拡大視野にて行うことなどが挙げられます。
当院では、マイクロスコープ(ブライトビジョン2050)を導入しており、最大18.8倍もの拡大視野にて治療を行うことができます。
また、根管内に使用するファイルについては新品を使用することで、根管内に破折したファイルが取り残されてしまうリスクを最大限に減らすようにしています。ファイルは破折した場合取り除くことも可能ですが、不必要に歯質を切削することになるため歯の寿命が短くなってしまう可能性もあり、ファイルが破折しないようにすることがとても重要であると考えています。精密根管治療では、高価なファイルをコストを気にせずにたくさん使用できることも特徴の一つです。
根管治療を行う上で最も重要なことは、細菌が根管内に流入しないようにすることです。根管内に細菌が侵入し、取り残されてしまうと根尖病変と呼ばれる状態を引き起こします。
唾液中には、多数の細菌が含まれているため、唾液が根管内に侵入しないようにラバーダムというゴムのカバーをすることでこのリスクを減らすことができます。
根管の形状には個人差があり、曲がってたり狭窄している場合があります。従来のレントゲンでは二次元でしか状態を確認することができなかったため、実際にどのように根管が湾曲しているか分からずに手探りで盲目的な治療しか行うことができませんでした。
しかし、当院ではCT撮影を行うことで事前に三次元の情報を得ることができます。CTによって、狭窄根管の探索時間の短縮や不要な切削のリスク低減、根管の見落とし、病変の正確な位置や大きさなどを把握できるといったメリットがあります。
※自費診療です
マイクロスコープを使用して行う精密な根管治療です。
ラバーダム防湿下にて新品のファイル・保険適応外の薬剤を使用し、長時間を費やして行うことが特徴です。処置してから経過観察を行った後に、セラミッククラウン、ジルコニアクラウンのいずれかによって治療を完了します。*ファイバーコア、補綴物代は別途(5年保証込み)
前歯 | 33,000円 |
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小臼歯 | 44,000円 |
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大臼歯 | 55,000円 |
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治療の期間・回数:2~4週間、1~3回
リスクや副作用:通常のむし歯治療よりも時間がかかる場合があります。術後に痛みを生じる場合があります。時に出血を伴う可能性があります。
検査器具やレントゲンで、むし歯の進行度合いを調べます。
むし歯がどんな状態なのかをご説明し、治療計画をご案内します。
むし歯の病巣を取り除きます。歯の神経までむし歯が達している場合は、神経の治療も行います。
むし歯の進行度合いや大きさに応じて、詰め物や被せ物を装着します。
むし歯を再発させないために、定期検診や歯のクリーニングを受けることをおすすめします。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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午前 | ○ | ○ | ○ | ─ | ○ | ○ | ─ |
午後 | ○ | ○ | ▲ | ─ | ▲ | ○ | ─ |
午前:9:30~13:00
午後:14:30~18:00
▲:14:30~19:00
休診日:木曜・日曜・祝日