〜小児矯正〜

今回は小児の矯正治療(八重歯の矯正治療)症例についてご紹介します。
来院されたきっかけは犬歯(糸切り歯)が変なところから生えてきたことでした。
乳犬歯は最後に抜けることが多く、骨の幅が狭いと永久歯が生えるスペースがなくいわゆる「八重歯(やえば)」という状態になってしまいます。
このままの状態で放置し、将来的に成人してから矯正治療を行う場合はほぼ間違いなく抜歯矯正となります。
歯は本来、親知らずを除いて28本存在する必要がありますが、抜歯矯正で4本抜いた場合には24本に減少します。
すると、歯1本1本の負担が大きくなるため、将来的にそれぞれの歯が傷みやすくなってしまいます。
そのため、抜歯は可能な限り避けることが望ましいと考えられています。
本症例では抜歯を避けるために永久歯が生えるスペースを増やすために骨を広げる装置(急速拡大装置)を使って治療を行いました。
八重歯の原因

八重歯になってしまう一番の原因は歯が生えるスペースがないことにあります。
乳犬歯は一般的に一番最後に生え変わるため、生えるスペースがない場合に仕方なく、外側に向かって生えてくることでいわゆる八重歯という状態になってしまいます。
この状態になってしまうとほとんどの症例では抜歯してからの矯正治療が必要となります。
抜歯するということは歯の本数が減ってしまうということなので、噛み合う部分が減ってしまうので将来的に歯を失うリスクが高くなってしまいます。
上顎骨を拡大する装置

当院では、こういった急速拡大装置という物を装着することで上顎骨の幅を拡大し、歯が生えてこれるスペースを増やす治療を行っております。上顎骨には上顎正中口蓋縫合というものが存在し、この装置を使用することでその縫合が開いて骨の成長を促進します。これは基本的に小児期にしかできない治療です。
下の歯に装着する装置

下顎にはこういったリンガルアーチという装置を装着し、内側に倒れ込んでしまっている歯を垂直に起こすようにします。
治療前後の比較

治療後の上顎骨の幅を比較しています。骨の幅が広がったことにより、両側の犬歯が綺麗に並ぶことができました。また、骨が広がったことで歯を抜くことなく綺麗に並びました。お子様のことでお困りの方はぜひ当院にお問い合わせください。