酸蝕症へのアプローチ

逆流性食道炎の既往のある患者の多くには、酸蝕症という歯がすり減ってしまっている症例が多くあります。
胃酸が口腔内に逆流することで、歯を溶かしてしまうことが原因です。
特にこのように上顎前歯の口蓋側(裏側)に多く見られます。
このまま放置しておくと、ひどい場合には神経そのものが露出してしまい神経を取らなければならないこともあります。
今回は、セラミッククラウンを装着することで、その予防的な治療を行った症例を報告します。
酸蝕症って何?

酸蝕症とは、あらゆる酸によって歯が溶けてしまう症状を示します。日常的にお酢のような酸っぱい物を摂取する人に良く見られます。また、前述したように逆流性食道炎によってもたらされる場合もあります。

歯の表面は通常、エナメル質という白色の組織で覆われています。エナメル質は体内で一番硬い組織と言われています。これが溶けてしまいうと、このように中の黄色味を帯びた象牙質と呼ばれる組織が露出します。象牙質は柔らかいため、ここまで進行していまうと一気に歯が溶けやすくなります。

これは前歯4本を切削し、プロビジョナルレストレーション(仮歯)を装着した状態です。
この仮歯の形態をしっかり整えることで、最終的に装着されるクラウンの精度に大きな影響を与えます。
そのため、当院では、きっちりと時間をかけることで精度の高い治療を行えるように心がけています。

セラミッククラウンを装着した状態です。このようにセラミックで覆うことで、これ以上歯が酸によって溶かされる心配がなくなります。この対応が遅れると、歯の神経を取ることになるため歯にとって大きなダメージが加わることになります。当院では、なるべく健康に歯が長持ちする最善の方法を提供できるように提案しております。逆流性食道炎や酸蝕症でお困りの方は当院にお問い合わせください。