当院では、奥歯（大臼歯部）において、抜歯と同時にインプラント手術を行う「抜歯即時埋入」に対応しております。

治療の特徴とメリット 従来の方法では、抜歯後の治癒を待ってからインプラント手術を行うため、どうしても治療期間が長くなり、手術も2回に分ける必要がありました。「抜歯即時埋入」ではこれらを一度に行うため、以下のメリットがあります。

• 手術回数が1回のみ： 患者様の精神的・肉体的な負担を軽減します。

• 治療期間の短縮： 最終的な被せ物が入るまでの期間を大幅に短くできます。

技術と適応について この治療法は高度な技術と経験を要するため、すべての歯科医院で行われているわけではありません。また、患者様の骨の状態や感染の有無によっては適応が難しいケースもございます。 当院ではCT撮影などの精密検査を行い、安全で確実な治療が可能かどうかを慎重に診断しております。

当院では、医学的根拠に基づいた手順で、安全かつ確実なインプラント治療を行っております。抜歯即時埋入における、手術から最終的な歯が入るまでの流れは以下の通りです。

Step 1： 外科処置（抜歯・埋入・組織再生） 対象となる歯を抜歯すると同時に、インプラント体（フィクスチャー）の埋入を行います。その際、インプラント周囲の骨が不足している部分には「骨補填剤」を填入し、丁寧に縫合します。外科的侵襲を1回に集約することで、患部の回復を早めます。

Step 2： 治癒期間とプロビジョナルレストレーション インプラントと骨が結合するまで、約2〜3ヶ月の治癒期間（待機期間）を設けます。結合が確認でき次第、「プロビジョナルレストレーション（仮歯）」を装着します。 この段階で実際に噛んでいただきながら、機能面・審美面、そして歯茎の形態が調和しているかを確認・調整します。

Step 3： 最終上部構造（本歯）の装着 プロビジョナルレストレーションの使用を通じて、咬合（噛み合わせ）や周囲組織の状態に問題がないことを確認した後、最終的な上部構造を作製・装着いたします。 単に歯を入れるだけでなく、長期的に安定して機能する口腔環境を整えてから治療を完了します。

当院のインプラント治療では、見た目の美しさはもちろん、機能性と長期的な安定性を追求するため、素材と術式にこだわっています。

1. 強さと美しさを兼ね備えた「ジルコニア」の使用 最終的な上部構造（人工歯）には、セラミックの一種である「ジルコニア」を採用しています。 ジルコニアは天然歯に近い透明感（審美性）を持ちながら、非常に硬く割れにくい（強度）という特徴があります。また、汚れがつきにくく（清掃性）、お口の中を清潔に保ちやすい素材です。

2. トラブルを防ぐ「スクリューリテイン」方式の採用 当院では、ほぼ全ての症例で、インプラント体と人工歯をネジで固定する「スクリューリテイン」方式を採用しています。 接着剤（セメント）を使用しないため、接着剤の取り残しによる炎症リスクがなく、メンテナンスもしやすい高い安定性を確保できます。

3. 「X-Guide」による正確な埋入と破損リスクの低減 スクリューリテイン方式では、ネジ穴（アクセスホール）の位置がずれると人工歯の一部が薄くなり、破損の原因となることがあります。 当院ではナビゲーションシステム「X-Guide」を導入しており、計画通りの理想的な位置へ正確にインプラントを埋入することが可能です。これにより、人工歯の強度が保たれる適切な位置にネジ穴を設定でき、長期的に安心して使えるインプラント治療を実現しています。