「1期矯正」で将来の抜歯リスクを減らす方法
「うちの子、少し出っ歯気味かも…?」 そんな不安を感じたことはありませんか?
専門用語では「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」と呼ばれるこの状態は、実は日本人の約13%(およそ8人に1人)に見られる、決して珍しくないお悩みです。
「まだ乳歯があるから様子を見よう」と思われがちですが、実はこの時期の判断が、将来の治療内容を大きく左右します。今回は、早めに治療を開始したことで「将来の抜歯」を回避できた症例とともに、早期治療の重要性をお話しします。
出っ歯(上顎前突)を放置するリスクとは?
「出っ歯」をそのままにしておくと、大人になってから矯正を考えた際、スペースを確保するために「健康な歯を抜いて矯正」しなければならない確率が格段に高くなってしまいます。
顎の成長が止まってからでは、歯を動かすスペースを作る方法が限られてしまうからです。
「1期矯正」が抜歯回避の鍵を握ります
子供の矯正(1期矯正)は、単に歯を並べるだけではありません。「顎の成長を正しい方向に導き、歯が並ぶための十分な土台(スペース)を作ること」が最大の目的です。
早期介入のメリット
-
抜歯の可能性を低減: 顎の横幅を広げたり、成長をコントロールすることで、将来的に歯を抜くリスクを最小限に抑えられます。
-
お顔立ちのバランス改善: 骨格からアプローチするため、横顔のラインも整いやすくなります。
-
2期矯正(大人の矯正)が楽になる: もし将来的にワイヤー矯正が必要になっても、期間を短縮できたり、より精密な仕上がりが期待できます。
今回の治療で使用した「ハイラックス(急速拡大装置)」とは?
今回の症例で、抜歯を回避するために重要な役割を果たしたのが**「ハイラックス」と呼ばれる装置です。日本語では「急速拡大装置」といいます。
「装置でお口を広げる」と聞くと少し驚かれるかもしれませんが、実は非常にお子様の負担を抑えつつ、大きな効果を発揮する優れた装置です。
1. 歯を抜かずに「座席」を増やす
出っ歯(上顎前突)の大きな原因の一つに、「上あごの横幅が狭く、歯が並ぶスペースが足りないこと」が挙げられます。 ハイラックスは、この狭くなった上あごを左右に広げることで、歯が正しく並ぶための「土台(スペース)」を確保します。例えるなら、「狭いベンチを横に伸ばして、みんなが座れるように座席を増やす」**ようなイメージです。
2. 「急速」だからこそ、骨にしっかりアプローチできる
ハイラックスの最大の特徴は、その名の通り「急速」に広げる点にあります。 お子様の成長期、特に上あごの骨がまだ柔らかい時期にこの装置を使用することで、単に歯を外側に倒すのではなく、「あごの骨の基盤そのもの」を理想的な大きさに広げることができます。
3. ハイラックスを使用するメリット
-
抜歯のリスクを大幅に下げられる: 土台が広がるため、将来的に健康な歯を抜く必要性が低くなります。
-
鼻呼吸がしやすくなることも: 上あごが広がると、すぐ上にある鼻腔(鼻の通り道)も広がるため、鼻詰まりの改善や鼻呼吸の促進につながるという副次的効果も期待できます。
-
固定式なので付け忘れがない: 歯科医院で固定するため、取り外しの手間がなく、お子様が装置を失くしたり付け忘れたりする心配がありません。
FKO(機能的顎矯正装置)について
ハイラックスで歯が並ぶ「横幅(土台)」を確保したあと、あるいは同時に検討されるのが「FKO(エフケーオー)」という装置です。
日本語では「機能的顎矯正装置」と呼ばれます。少し難しい名前ですが、一言で言うと「お子様自身の噛む力(筋肉の力)を利用して、あごの成長を正しい位置に誘導する装置」です。
1. 「出っ歯」の正体は、下あごの小ささかも?
出っ歯(上顎前突)の多くは、単に上の歯が出ているだけでなく、「下あごが上あごに対して後ろに下がっている(小さい)」ことが原因です。 FKOは、この「下がってしまっている下あご」を前の方へ誘導し、上下のあごのバランスを根本から整えます。
2. 自分の「噛む力」で治すから、体に優しい
FKOは、プラスチックの本体と針金でできた取り外し式の装置です。 装着して噛み込むことで、お口周りの筋肉を刺激し、下あごが前方へ成長するのを助けます。外側から無理な力をかけるのではなく、お子様の成長の力を最大限に活用するため、非常に理にかなった治療法です。
3. FKOを使用するメリット
-
横顔のライン(Eライン)が整う: 下あごが正しい位置に出てくるため、横から見た時の顔立ちが非常にすっきりと整います。
-
取り外しが可能: 食事や歯磨きの時は外せるため、虫歯のリスクを抑えられ、お口の中を清潔に保てます。
-
夜寝る時を中心に使用: 主に就寝時や、ご自宅にいる時間に装着するため、学校で周りの目を気にする必要がありません。
ハイラックスとFKOの「コンビネーション」が抜歯回避のポイント
今回の症例で抜歯を回避できたのは、以下の2段階のアプローチを適切に行ったからです。
-
ハイラックスで、歯が並ぶ**「横のスペース」**を確保
-
FKOで、上下のあごの**「前後のバランス」**を調整
このように、成長期に「横」と「前後」の両方からあごの形を整えておくことで、永久歯が自然に収まる空間ができ、将来的に健康な歯を抜く必要性が格段に低くなるのです。
かむピタについて
根本原因から改善するために|「かむピタ」で指しゃぶり・爪噛み卒業をサポート
出っ歯(上顎前突)になってしまう原因は、骨格の遺伝だけではありません。実は、幼少期からの「指しゃぶり」や「爪噛み」**といった何気ない癖が、歯を外側に押し出してしまう大きな原因になっていることがあります。
装置で歯並びを整えても、原因となる癖が残っていると後戻りしてしまうことも…。そこで当院がおすすめしているのが、苦味成分配合のトップコート「かむピタ」です。
1. 「苦味」で無意識の癖に気づかせてあげる
「かむピタ」には、オーガニックな苦味成分が配合されています。爪や指にサッと塗っておくことで、お子様が無意識に指を口に運んだ際、「あ、苦い!」と自分で気づくことができます。 叱ってやめさせるのではなく、お子様本人が「あ、そうだった」と自覚できるのが最大のメリットです。
2. 矯正治療をスムーズに進めるために
指しゃぶりを続けていると、常に前歯に外側への圧力がかかり続けます。
-
装置の効果を最大限に高める
-
せっかく治した歯並びが戻るのを防ぐ このために、矯正装置(ハイラックスやFKO)の使用と並行して、原因となる癖を「かむピタ」で楽しく、優しく卒業していくことは非常に効果的です。
3. 安心・安全へのこだわり
「かむピタ」は、植物由来の苦味成分を使用しており、成分の大部分が日本製。お子様が万が一口に入れても安心な成分で作られています。また、消毒用アルコールなどで簡単に落とせるため、日常使いも負担になりません。
将来の抜歯を避け、お子様の「一生の笑顔」を守るために
今回の症例のように、「1期矯正(子どもの矯正)」で適切なタイミングで介入することは、お子様の将来にとって非常に大きなメリットがあります。
改めて、今回の治療のポイントをまとめます。
-
ハイラックス(急速拡大装置): 上あごの横幅を広げ、歯が並ぶための「座席(スペース)」を確保しました。
-
FKO(機能的顎矯正装置): 下あごの成長を正しい位置へ導き、出っ歯の根本的な「骨格バランス」を整えました。
-
かむピタ: 指しゃぶりや爪噛みといった「原因となる癖」を優しく解消し、治療後の後戻りを防ぐ土台を作りました。
「もっと早く相談すればよかった」となる前に
「まだ乳歯があるから」「本人が嫌がるかも」と様子を見ている間に、あごの成長期が終わってしまうことがあります。成長が止まってからでは、どうしても歯を抜かなければならないケースが増えてしまいます。
「抜歯をせずに、きれいな歯並びと健康な噛み合わせを作ってあげたい」 その願いを叶える鍵は、成長期という「今しかないチャンス」を活かすことです。
大津市の北川歯科医院は、滋賀県全域の「お母さん・お父さん」の味方です
当院には、大津市内だけでなく滋賀県内各地から、お子様の歯並びを心配される親御様が多数ご来院されています。 「うちの子もマウスピース(FKO)で治る?」「指しゃぶりがやめられないけど大丈夫?」といった些細な疑問でも構いません。
まずは無料カウンセリングで、お子様の現在のお口の状態と、将来の見通しを一緒にお話ししませんか? 私たちは、お子様が大人になった時に「あの時、矯正をしておいて本当によかった」と思える未来を、全力でサポートいたします。